五反田に美味いものは無いのか。ランチ激戦区とは名ばかりで、人が多いから店さえ開けときゃある程度の収入が見込めるものだから、企業努力など忘れてしまった不毛の地なのか、そう思い始めてきた、今日この頃の佐藤と営業であった…

しかし、諦めることを知らない真の求道者たる佐藤は、暇つぶしもかねて「海喜館」見物に出かけた。「海喜館」とは、”五反田 地面師”でググれば良くわかる、不動産を業とするものならばとりあえず「ああ、あれか」となる事件現場である。

「海喜館」は外から見たって面白くも無いものなので、「ああ、これかぁ」と通り過ぎ、その先にある豚カツ屋さん、「とん金」へ行った。

お目当のロースカツランチは無くなっており、ヒレカツランチになってしまったが、仕方なくそれを頼んだ。

スキンヘッドで強面の店主がたまに見せるお茶目な笑顔に、四十路のおばちゃんはちょっぴりキュンとしつつ、店内のテレビに流れるヒルナンデスをぼんやり眺めていると、テキパキとしたお姉さんが運んできてくれた。

「ご飯は少なめにしてあります」

いえ、あの、見かけより食べるんですけど…と思いつつ、恥ずかしいので言えず。

味は、美味しかったです。

五反田で、初めて美味しいものに出会いました。

肉は厚く、衣は薄く程よくカリッとしていて、味噌汁は塩辛くなく、キャベツ味噌汁ご飯がおかわり自由で、1000円でこのクオリティと量なら完璧と言っても良いでしょう!

ランチ時はメニューを選べないようで、曜日で変わるようなので、また来たいです!