突然ですが、不動産業界の旧態依然とした男尊女卑体系に怒りを覚えている今日この頃です。
営業Iが「新人に説明するとき、物件を女に例えると、わかりやすいんですよね」と言い出しました。
曰く、築浅=若い、駅近=性格良い、大規模=金持ってる、外観綺麗=顔がいい、70㎡超え=料理うまい、眺望良い=床上手だそうで、駅近大規模旧耐震マンションは、歳いってるけど性格良くて金持ってて昔は美人の女で「いける」とのこと。「いける」とはどういう意味か、私には良くわかりかねますが、確かにわかりやすいといえばわかりやすいです。
ただ、その後、佐藤が旧耐震なのを会社の新耐震どもが、「大規模修繕したらいいんですよ」などといじめ始めたので、不埒な輩の減俸処分を固く心に誓ったのでした。
と、どうでもいい話はどうでもよくて、旧耐震のマンションについてお話しします。
旧耐震とは、昭和56年6月1日以前に建築確認をとって建てられた建造物のことをいいます。建築確認の時期次第なので、昭和57年築といっても確認が昭和56年5月であれば旧耐震です。昭和56年6月1日以降の建築確認をとったものを新耐震といいます。
ざっくりいうと、旧耐震は震度5で倒壊のおそれがない基準で、新耐震は震度6〜7でも倒壊のおそれがない基準になります。
地震大国日本において、耐震基準が震度5までしかないとは、イコール”死”じゃないかと思いますよね。来る来る言われている首都直下地震が来たら、倒壊して死んでまうやろ!と。
一概にそうとはいえないのです。
本当に倒壊しそうな終わっているマンションもあります。
ただ、このお話では旧耐震基準のマンションでも買いなものをご紹介したいので、どんなものなら買いなのかをご紹介します。
①立地が良い。新築マンションで立地が良いものは、今後あまり望めないでしょう。開発業者はマンション建てるよりホテル建てた方が儲かるので、都心にはマンションが作られないといわれていますし、駅近くにはすでに何かが建っているので、少し駅から離れるか、郊外になってしまいます。立地の良さは、マンションに住まう以上、何ものにも代え難い財産なのです。
②大規模、100戸以上。大きいことは、良いことです。管理費修繕積立金もお安くすみます。
③駐車場が広い。大規模マンションでも敷地にギチギチでは、将来的に建て替えを考えたときに、規模縮小となってしまいますが、敷地が広ければ建て替えて、新築分譲する余裕がうまれるので、建て替え費用に積み増すことが出来ます。
④耐震補強してある。主要幹線道路沿いのマンションは、耐震診断が義務付けられており、耐震補強に補助金が出るので、補強工事がなされているものが結構あります。外壁に鉄の柱でバッテンされているヤツがそれです。ちょうどバッテンが来るバルコニー位置だと、眺望が塞がれますので、その部屋は避けて貰えばいいでしょう。耐震補強してあって、耐震適合証明が発行されていれば、それはもう新耐震基準なのです。ローン控除だって使えます。
⑤フラット35適合証明が出る。フラット35とは、簡単にいうと国でやっている住宅政策の一つで、金融機関で組んだ住宅ローンを機構が引き受けるというものなので、比較的審査が緩く、収入が多くなくても通るものになります。ただ、国民が安心して暮らせる住宅を供給するという大義名分があるので、建物の構造や管理状態に一定の基準があり、建築士のお墨付きが必要となります。つまり、耐震適合が叶わなくても、フラット35適合証明が出るということは、安心な建造物で管理もしっかりしているといえるでしょう。
以上5点をふまえて、市場を見渡してみれば、希望のお部屋の選択肢が広がるのではないでしょうか。
ただ、中がボロボロの昭和53年のものを自分でリフォームするのは、かなり荷が重いので、売主業者がリフォームしてあるものを買うのが、得策かなと思います。業者ものは高いと言われますが、最低でも2年の瑕疵担保がありますし、設備は新築同様の高級品が入っています。
立地にこだわりがあるのでしたら、旧耐震も一度検討に入れてみていただけたらと思います。